KAIROS クラウドサービスは、自由度の高い映像制作を可能にしたIT/IPプラットフォーム「KAIROS」をクラウド化し、様々なアプリケーションと連携することで「撮る・創る・映す」ワークフロー全体をシームレスにつなぎ、いつでもどこでも手軽に使えるサービスです。
ライブ映像のスイッチング・コンテンツ管理機能をコアとした「KAIROSクラウド プラットフォーム」を軸に、シームレスな映像制作ワークフローを実現。現場からネットワークにつなぐだけで、省力化および機材数の最小化と、リモートによる分散型ワークフローが可能になり、約30%の業務効率化※を実現します。さらに、サブスクリプション型サービスで初期投資を抑え、最適かつ最新のサービスをいつでも、どこでも利用でき、手軽により良い映像を制作できる環境を提供します。
また多様化するニーズにお応えするため、クラウド上での様々なテクノロジーを組み合わせ、サービスの継続的進化を図ることで、映像制作現場の更なるワークフローの変革を目指します。
※当社が実施した、複数の実証実験に基づき算出
(出典:KAIROS クラウドサービス.「概要」.Panasonic Connect. 2023/01/20. https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services_kairos-cloud )
この案件では、サービス領域も専門性があり、支援難易度が高いものだったため、まずはニジボックスからパナソニック コネクト社へ密にヒアリングさせていただきました。
KAIROS開発担当者様と市場調査などを通じて、既存の制作フローや課題感を確認しました。サービス利用者視点で、映像制作に関わる機材や、サービスの導入検討〜購入プロセス、そのプロセスへの関係者もヒアリングし、ユーザーとのタッチポイントはどこか、誰が導入の決定権を持つのか、などの整理も行っていきました。
こうしたヒアリングを通して、映像制作の環境を綿密に把握し、ターゲットになりうるユーザーを整理していきました。
上記のプロセスを経てユーザー理解が深まったことにより、ユースケースの整理を行えました。
そこからニジボックスでは、優先すべきターゲット属性を設計し、クライアントともすり合わせの上でユーザーインタビューを実施しました。
ユーザーインタビューは、映像制作に関わるサービスやツールを新規導入する時のカスタマージャーニーを策定するために行いました。
これにより、ユーザーとサービスのタッチポイントを踏まえた情報整理とサイトUI設計ができる状態にすることが目的です。
インタビューでは、以下情報を聴取していきました。
・ユーザーの情報(どんな仕事をしているどんな人物か)
・購買関係者の情報(上記同様)
・クラウド映像制作サービスの検討状況や、利用したいと思った動機
・検討段階で探した媒体、情報、検索キーワード
・商品の選択基準(デザイン・価格・使いやすさ・機能性・競合差別化ポイントなど)
ここまでで整理したターゲットユーザー像を基に、ユーザーの課題や求める情報を反映したサービスサイトの構築を行っていきました。
KAIROSクラウドサービスは新規サービスのため、「事前告知」「受付開始」「サービスイン」「運用」といった各段階で、情報の内容や見せ方を変えていく必要もありました。そのため、ニジボックスではロードマップを策定してサイト制作・運用計画を支援しました。
さらに、UI面ではムービーでの表現を行ったり、活用事例を紹介するなど、ユーザーの導入意向を高めるサービスの分かりやすさを意識して、表現方法を設定しました。
これら全ての検討を、パナソニック コネクト様との密なコミュニケーションの上、協働して行っていき、迷った時にはカスタマージャーニーマップやユーザーインタビューを再確認することでUX意識の向上にも貢献させていただきました。
同時期にパナソニック社からパナソニック コネクト社への分社化もあり、ロゴやトンマナの変更も合わせて対応させていただきました。
前述の通り、ニジボックスではKAIROSクラウドサービスのサービス提供段階に応じて、サイトも進化させていくロードマップを計画していました。
①サービスの告知
②ユーザーの申し込み受付が出来る状態
③ターゲットに合わせてマーケティングを行える状態
④ユーザー用ポータルサイトを用意
⑤ユーザー用フォーラムを作る
⑥ユーザー利用頻度、ボリュームに応じたプランとサービスの拡充
といった流れで、ユーザーがほしいタイミングでほしいサイトを用意することを意識した中長期計画です。
サイト制作で終わりではなく、運用へ移る中で次はどの段階に進むべきか、パナソニック コネクト様と話し合い、合意させていただきました。
ユーザーの分析やビジネス領域の支援から密に伴走した結果、ニーズを捉えた各種KAIROSサービス関連サイトの制作、リリースが実現できました。
UX思想の定着、それをビジネスインパクトとして出すのはまだ道半ばですが、サイトリリース後も、定性調査(ユーザーインタビュー)にかぎらず、定量的な分析(AdobeAnalytics)を行うような、新たな施策の機会も頂いております。
サイト品質のみならず、パナソニック コネクト様に合ったUXの考え方を取り入れた、PDCAの在り方を検討しながらプロジェクトを先へと進めています。
パナソニック コネクト様が目指すブロードキャスト領域での、SaaSを用いたビジネス変革の実現に向けて、引き続きご支援させて頂きます。