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【テンプレートDL可能】リーンキャンバスとは?新規事業に最適なその特徴から活用法までやさしく解説!

【テンプレートDL可能】リーンキャンバスとは?新規事業に最適なその特徴から活用法までやさしく解説!

2020.1.24
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以前、ビジネスモデルを可視化するためのフレームワークとして「ビジネスモデルキャンバス」を紹介しました。

同様の1枚シートのフレームワークに、ビジネスモデルキャンバスの顧客部分の解像度を高めた「リーンキャンバス」があります。

この記事では、リーンキャンバスとは何か? から、その特徴や活用法、ビジネスモデルキャンバスとの使い分けについて解説していきます。

■関連記事
ビジネスモデルキャンバスとは?活用のための3つのステップ

リーンキャンバスとは?

リーンキャンバスとは、1枚のシートでビジネスモデルを可視化・一望できるフレームワークです。
ビジネスモデルキャンバスを改変し、スタートアップ企業や新規事業向けに最適化されたものになります。

新規事情を成功に繋げるためには、ユーザーの声を聞きながらビジネスを高速で軌道修正し、磨き込んでいく必要があります。

リーンキャンバスの「リーン(Lean)」は英語で「効率的な」という意味の単語です。

つまり、リーンキャンバスとは、ビジネスのPDCAを最速で回すためのツールとして、ビジネスモデルキャンバスを新規事業用に最適化したものになります。

リーンキャンバスの3つの特徴

そんなリーンキャンバスの特徴は3つです。

スピーディに作成可能

リーンキャンバスを使えば、決まった項目を埋めてゆくだけで、長くても1時間程度で事業のビジネスモデルを可視化することができます。

共有・検討がしやすい

リーンキャンバスでは事業の価値構造が1枚のシートで表されるため、他の人への共有も容易にできます。

よって、より多くの人に読まれ、ビジネスモデルに関してのアドバイスや提案を受け入れやすくなります。

結果として仮説検証のサイクルも早まり、必要に応じて頻繁にビジネスモデルをアップデートすることが可能です。

シンプルで理解しやすい

リーンキャンバスでは、ビジネスモデルの本質的な価値構造を1枚のシートで可視化できます。

よって、短い時間で投資家やクライアント、ひいては社内の決裁者に要点を伝えることが可能になります。

リーンキャンバスを構成する9つの要素

リーンキャンバスは、9つの要素から構成された1枚のシートであることが特徴です。

ここから、ひとつひとつの要素について解説していきます。

リーンキャンバスの図

【1】課題

「顧客が解決する必要のある課題」を記入します。

ターゲットと考えられる顧客セグメントにとって、優先順位の高い課題を1〜3個ほど挙げてみましょう。
解決すべき課題が見つからない場合は、提供しようと考えている製品やサービスが解決できる課題がない状況を意味し、ユーザー像が不透明になってしまいます。

【2】顧客セグメント

「誰に価値を提供するのか」を記入します。

顧客をグループ化し、どのセグメントに関わるのか、あるいは関わらないのかを設定します。
性別や年代、住んでいる場所などのデモグラフィック属性や、利用目的などでセグメント分けをすると良いです。

【3】独自の価値提案

キャンバスの中心に位置するのがこの独自の価値提案(ユニークバリュープロポジション)です。

【2】の顧客セグメントが抱える【1】の課題に対して、「どのような価値を提供するのか」を記入します。
ここでいう「価値」とは、課題に対して企業が提供する、製品・サービスの内容のことを指します。
顧客セグメントごとに提供価値を考えていきますが、整合性がわかりにくい場合は、このブロックだけを抽出したバリュープロポジションキャンバスや価値・顧客シートによる検証や顧客分析を行います

バリュープロポジションキャンバスについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

■参考記事
バリュープロポジションキャンバスとは?基礎基本からやさしく解説!

【4】ソリューション

【1】で挙げた課題の解決策を記入します。

一度に完璧な解決策を見つけることは至難の業です。
よって、ユーザーインタビューなどを行い、解決策のヒントを探るなどして、リーンスタートアップの「構築―計測―学習」プロセスを繰り返し、解決策をブラッシュアップしていくことが重要です。

ユーザーインタビューの分析手法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

■参考記事
【事例で分かる!】より良いユーザーインタビュー分析の3つの条件とは?

【5】圧倒的な優位性

競合他社に簡単には参入されない参入障壁や自社の優位性について記入します。

これはパートナーや投資家を探す際にも有利に働きます。
コピーや購入ができないものが圧倒的な優位性としてふさわしいと言えます。
例えばインサイダー情報、専門家の支持、既存の顧客などは当てはまりますが、コミットメントや情熱などは該当しません。

【6】収益の流れ

「どのように収益化させるか」を記入します。

スタートアップや新規事業において、コストを引き下げたり、無償提供することで利用者を増やしたりする手法はよく見られます。
一方で、最終的にどう収益をあげるのかを見越した、慎重な計画が必要な項目です。

【7】コスト構造

ビジネスモデルを運営するにあたり発生するコストを記入します。

ここで算出したコストと【6】の収益から、大まかな損益分岐点を計算できます

【8】主要指標

どの数値が出れば成功と言えるのか、パフォーマンスを測る指標を記入します。

KPI(Key Performance Indicator, 重要業績評価指標)に設定する数値は様々ありますが、近年のインターネットを活用したサービスでは、顧客の行動モデルを表した、AARRR(アー)モデル(別名:海賊指標)というフレームワークが活用されています。

【9】チャネル

特定の顧客セグメントに対して、「どのチャネルを通じてリーチするか」を記入します。

コミュニケーション、流通、販売チャネル、アフターフォローなど、商品やサービスの提供ルートや、プロモーションの手段を設定します。
また、初期段階では規模にこだわるのではなく、リーンスタートアップの「学習」プロセスを進めることを目的とすると良いです。

上記の9つの項目に関しては【1】から順に埋めていくのが良いとされていますが、上記の順番はあくまでも参考程度に留め、難しい場合は埋めやすいところから埋めていく進め方で良いでしょう。

9つの要素に関して、リーンキャンバス上では、商品の価値である、顧客に何を提供できるかという「独自の価値提案」を中心に、「左側:プロダクト」「右側:マーケット」の左右に分けることができます

リーンキャンバスの内訳

ビジネスモデルキャンバスとの違い

リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスをカスタマイズされて作られたものです。

では、ビジネスモデルキャンバスとリーンキャンバスの違いはどこにあるのでしょうか?

2つのキャンバスを見比べてみると、形状はとても似ているのですが、9つの項目に違いがあることが分かります。
リーンキャンバスとビジネスモデルキャンバスの違い

リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスにおける顧客(右側)の解像度をあげたものと言えます。
そのため、ビジネスモデルキャンバスにおけるコスト要素(左側)が、リーンキャンバスでは左下のコスト構造に集約されています。

ビジネスモデルキャンバス中の「キーパートナー」「主なリソース」といった企業活動の部分については、スタートアップや新規事業など、小規模・小資本で始める段階ではあまり使用されない項目もあります。

そのため、顧客の抱える課題やそれに対するソリューション、提供価値といったプロダクトについて、ビジネスモデルキャンバスよりも一歩踏み込んだ整理ができるリーンキャンバスの方が、スタートアップに向いていると言われています。

ビジネスモデルキャンバスは既存事業、リーンキャンバスは新規事業・スタートアップと完全に使い分けをするだけでなく、「ズームイン・ズームアウト」という3つのステップで検証・修正を繰り返し、ビジネスモデルをブラッシュアップしていく方法として、リーンキャンバスとビジネスモデルキャンバスを併用することも可能です。

ビジネスモデルキャンバスを活用する3つのステップ

  1. ビジネスモデルキャンバスを使って、ビジネスモデルの全体像と、各ブロックの関係性を大まかに掴みます
  2. ズームイン→リーンキャンバスやバリュープロポジションキャンバスなど、顧客によりフォーカスしたフレームワークを利用します。
    顧客イメージをより詳細につかむことで、自社の製品やサービスが提供する価値が、顧客セグメントと合っているのかを検証していきます。
  3. ズームアウト→アンゾフの成長マトリクス、事業環境マップなど、外部環境を掴むためのフレームワークを利用します。
    自社に影響を及ぼす外部環境を分析して、ビジネスモデルの再構築を図ります

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ビジネスモデルキャンバスとは?活用のための3つのステップ

リーンキャンバスのテンプレート

リーンキャンバスのテンプレートは、以下のリンクよりダウンロードが可能です。
必要に応じてダウンロードしてぜひ、ご活用ください。
https://nijibox.jp/wp-content/uploads/2020/01/Lean-canvas_figure1_200124.jpg

新規事業立ち上げをスムーズに進行するためには?

ここまで、リーンキャンバスの特徴や使い方について解説してきました。
スタートアップや新規事業の立ち上げにおいて、頭の中のアイディアを形にする作業は重要です。
可視化することで、社内や投資家など他の人からのアドバイスや提案を反映しやすくなり、その分ビジネスモデルの仮説検証のサイクルも早く進められるためです。

とはいえ、どんな手法やフレームワークでも、ただそれを知っているだけではビジネスの結果には結びつきません。
結果として実らせるためには、実際に実践する中で経験を積み、手法を自分のものにしてゆく必要があります。

では、手堅く、リスクを最小限に実施するにはどうしたら良いのでしょう?

そこで、「実績のある経験者のプロセスを参考にする」ことも一つの作戦だと思います。

ニジボックスは、リクルートの新規事業研究機関から誕生した経緯があります。
リーンキャンバスをはじめとする様々なフレームワークを、新規事業で使用し、ビジネスの価値検証を重ねてきました。

今回、ニジボックスが磨き上げてきたノウハウの一端を資料としてまとめ、公開することにしました。

また、下記資料にて、これまでニジボックスがUXデザインを用いてどのようにビジネス立ち上げや成功を支援してきたのか、ビジネスフェーズごとに実施例を一部ご紹介しています。

ご興味のある方はぜひお気軽に、下記リンクより資料を無料ダウンロードください!

参考文献・資料
・アッシュ・マウリャ(2017)「図解リーン・スタートアップ成長戦略」日経BP社.
・「LEAN CANVAS Don’t Write a Business Plan. Create a Lean Canvas Instead. 」, [online] https://leanstack.com/leancanvas (参照 2019-12-1)
・「What is the Right Fill Order for a Lean Canvas?」, [online] https://blog.leanstack.com/what-is-the-right-fill-order-for-a-lean-canvas-f8071d0c6c8c (参照 2019-12-3)
・「リーンキャンバスとは ?事業計画書を作ろう・実践編【テンプレート付】」, [online] https://ferret-plus.com/3175 (参照 2019-12-13)
・「AARRR(アー)モデルを活用する上で知っておきたいこと」, [online]
https://www.innovation.co.jp/urumo/aarrr/ (参照 2019-12-13)