新規事業立案やスタートアップに最適!リーンキャンバスの活用方法について解説!

新規事業立案やスタートアップに最適!リーンキャンバスの活用方法について解説!

2020.1.24
67views

以前、ビジネスモデルを可視化するためのフレームワークとして「ビジネスモデルキャンバス」を紹介しました。
同じような1枚シートのフレームワークに、ビジネスモデルキャンバスの顧客部分の解像度を高めた「リーンキャンバス」があります。
この記事では、リーンキャンバスの特徴や活用方法、ビジネスモデルキャンバスとの使い分けについて解説します

リーンキャンバスとは?

リーンキャンバスとは、ビジネスモデルキャンバス同様に、1枚のシートでビジネスモデルを可視化・一望できるフレームワークです。
ビジネスモデルキャンバスを改変し、スタートアップ企業や新規事業向けに最適化されています。

リーンキャンバスには以下の特徴があります

  • スピーディ:それまでは、ビジネスプランの作成に数週間〜数か月かかる可能性がありましたが、リーンキャンバスを使えば、決まった項目を埋めてゆくだけで、たった20〜30分でビジネスモデルを可視化できるようになりました
  • 共有・検討しやすい:1枚シートは他の人への共有も容易にできるため、より多くの人に読まれ、ビジネスモデルに関してのアドバイスや提案を受け入れやすくなります。仮説検証のサイクルも早まり、頻繁にモデルをアップデートすることが可能です
  • シンプル:リーンキャンバスを用いることでビジネスモデルの本質的な構造を可視化できるため、短い時間で投資家や顧客に要点を伝えることができます

リーンキャンバスを構成する9つの要素

リーンキャンバスは、9つの要素から構成された1枚のシートであることが特徴です。

リーンキャンバスの図

【1】 課題

顧客が解決する必要のある課題を記入します。
ターゲットにしたいと考えている顧客セグメントにとって、優先順位の高い課題を1〜3個ほど挙げてみましょう。
解決すべき課題がない場合は、提供できる製品やサービスがないと言えます。

【2】 顧客セグメント

「誰に価値を提供するのか」「最も重要な顧客は誰なのか」を記入します。
顧客をグループ化し、どのセグメントに関わるのか、あるいは関わらないのかを設定します。属性や利用目的などでセグメント分けをします。

【3】 独自の価値提案

キャンバスの中心に位置するのがこの独自の価値提案(ユニークバリュープロポジション)です。
特定の顧客セグメントに対して、「どんな価値を提供するのか」「どういったニーズを満たすのか」を記入します。
企業が提供する製品・サービスの内容のことを指します。
顧客セグメントごとに提供価値を考えていきますが、整合性がわかりにくい場合は、このブロックだけを抽出したバリュープロポジションキャンバスや価値・顧客シートによる検証や顧客分析を行います

【4】 ソリューション

【1】で挙げた課題の解決策を記入します。
一度に完璧な解決策を見つけることは至難の業ですが、カスタマーへのインタビューなどを行い、解決策のヒントを探るなどして、リーンスタートアップの「構築―計測―学習」プロセスを繰り返し、解決策をブラッシュアップしていくことが重要です。

【5】 圧倒的な優位性

競合他社に簡単には参入されない参入障壁や自社の優位性について記入します。
これはパートナーや投資家を探す際にも有利に働きます。コピーや購入ができないものが圧倒的な優位性としてふさわしいと言えます。
例えばインサイダー情報、専門家の支持、既存の顧客などは当てはまりますが、コミットメントや情熱などは該当しません。

【6】 収益の流れ

「どのように収益化させるか」を記入します。
スタートアップや新規事業において、コストを引き下げたり、無償提供することで利用者を増やしたりする手法はよく見られるものの、最終的にどう収益をあげるのかを見越した、慎重な計画が必要な項目です。

【7】 コスト構造

ビジネスモデルを運営するにあたり発生するコストを記入します。
ここで算出したコストと【6】の収益から、大まかな損益分岐点を計算できます

【8】 主要指標

どの数値が出れば成功と言えるのか、パフォーマンスを測る指標を記入します。
KPI(Key Performance Indicator, 重要業績評価指標)に設定する数値は様々ありますが、近年のインターネットを活用したサービスでは、顧客の行動モデルを表した、AARRR(アー)モデル(別名:海賊指標)というフレームワークが活用されています。

【9】 チャネル

特定の顧客セグメントに対して、「どのチャネルを通じてリーチするか」「どのように価値を提供するか」を記入します。
コミュニケーション、流通、販売チャネル、アフターフォローなど、商品やサービスの提供ルートや、プロモーションの手段を設定します
また、初期段階では規模にこだわるのではなく、リーンスタートアップの「学習」プロセスを進めることを目的としましょう。

上記の9つの項目に関して【1】から順に埋めていくのが良いとされていますが、上記の順番はあくまでも参考程度に留め、難しい場合はビジネスモデルキャンバス同様に埋めやすいところから埋めていく進め方で良いでしょう。

9つの要素に関して、リーンキャンバス上では、商品の価値である、顧客に何を提供できるかという「独自の価値提案」を中心に、「左側:プロダクト」「右側:マーケット」の左右に分けることができます

リーンキャンバスの内訳

ビジネスモデルキャンバスとの違い

リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスをカスタマイズされて作られたものです。
2つのキャンバスを見比べてみると、形状はとても似ているのですが、9つの項目に違いがあることが分かります。
リーンキャンバスとビジネスモデルキャンバスの違い

リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスにおける顧客(右側)の解像度をあげたものと言えます。
そのため、ビジネスモデルキャンバスにおけるコスト要素(左側)が、リーンキャンバスでは左下のコスト構造に集約されています。

ビジネスモデルキャンバス中の「キーパートナー」「主なリソース」といった企業活動の部分については、スタートアップや新規事業など、小規模・小資本で始める段階ではあまり使用されない項目もあります。
そのため、顧客の抱える課題やそれに対するソリューション、提供価値といったプロダクトについて、ビジネスモデルキャンバスよりも一歩踏み込んだ整理ができるリーンキャンバスの方が、スタートアップに向いていると言われています。

ビジネスモデルキャンバスは既存事業、リーンキャンバスは新規事業・スタートアップと完全に使い分けをするだけでなく、前回ビジネスモデルキャンバスについての解説の際にご紹介したように、「ズームイン・ズームアウト」という3つのステップで検証・修正を繰り返し、ビジネスモデルをブラッシュアップしていく方法として、リーンキャンバスとビジネスモデルキャンバスを併用することも可能です。

ビジネスモデルキャンバスを活用する3つのステップ

・・・1枚シートだけではビジネスモデルの検討には不足が生じてしまいます。
よって、ビジネスモデルキャンバスでビジネスモデル全体を理解しつつ、ズームイン・ズームアウトという3つのステップで検証・修正を繰り返し、ビジネスモデルをブラッシュアップしていく方法をおすすめします。

  1. ビジネスモデルキャンバスを使って、ビジネスモデルの全体像と、各ブロックの関係性を大まかに掴みます
  2. ズームイン→リーンキャンバスやバリュープロポジションキャンバスなど、顧客によりフォーカスしたフレームワークを利用します。
    顧客イメージをより詳細につかむことで、自社の製品やサービスが提供する価値が、顧客セグメントと合っているのかを検証していきます。
  3. ズームアウト→アンゾフの成長マトリクス、事業環境マップなど、外部環境を掴むためのフレームワークを利用します。
    自社に影響を及ぼす外部環境を分析して、ビジネスモデルの再構築を図ります

■関連記事
ビジネスモデルキャンバスとは?活用のための3つのステップ

リーンキャンバスのテンプレート

リーンキャンバスのテンプレートは、以下のリンクよりダウンロードが可能です。必要に応じてダウンロードしてご活用ください。
https://nijibox.jp/wp-content/uploads/2020/01/Lean-canvas_figure1_200124.jpg

まとめ

リーンキャンバスの特徴や使い方について解説しました。

スタートアップや新規事業の立ち上げにおいて、頭の中のアイディアを形にする作業は重要です。

可視化することで、社内や投資家など他の人からのアドバイスや提案を反映しやすくなり、その分ビジネスモデルの仮説検証のサイクルも早く進められます。



新規事業を立ち上げる際には、ぜひリーンキャンバスを活用してみてください。


参考文献・資料

・アッシュ・マウリャ(2017)「図解リーン・スタートアップ成長戦略」日経BP社.

・「LEAN CANVAS Don’t Write a Business Plan. Create a Lean Canvas Instead. 」, [online] https://leanstack.com/leancanvas (参照 2019-12-1)

・「What is the Right Fill Order for a Lean Canvas?」, [online] https://blog.leanstack.com/what-is-the-right-fill-order-for-a-lean-canvas-f8071d0c6c8c (参照 2019-12-3)

・「リーンキャンバスとは ?事業計画書を作ろう・実践編【テンプレート付】」, [online] https://ferret-plus.com/3175 (参照 2019-12-13)

・「AARRR(アー)モデルを活用する上で知っておきたいこと」, [online]
https://www.innovation.co.jp/urumo/aarrr/ (参照 2019-12-13)

ニジボックスのUXデザインについて詳しく知りたい方はこちら!

UXデザインについて 外部リンク