【初心者編】ユーザビリティテストとは?基礎知識やメリット、準備するものまでやさしく解説!

【初心者編】ユーザビリティテストとは?基礎知識やメリット、準備するものまでやさしく解説!

2019.11.29
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ユーザビリティテストとは、サイトの改善において、実際にサイトのターゲットユーザーに利用してもらい、操作感やサイトの構成に関する課題を発見する手法のことです。

この記事では、ユーザビリティついての基本的な解説から、ユーザビリティテストのメリット、
必要な準備など、実際にテストを行う前に知っておきたい事項
をまとめました。

ユーザビリティテストとは?

ユーザビリティーテスト2
ISO(国際標準化機構)によるユーザビリティの定義(ISO9241-11)によると、
WEBサイトやアプリにおけるユーザビリティは次のようになります。

ユーザビリティとは、「特定のユーザーが特定の利用状況で指定された目標を達成するためにサイトを使う際の、有効さ、効率、満足度の度合い」である。

※製品や業界によって多少捉え方は変わりますが、この記事ではWEBサイトやアプリにおけるユーザビリティを指すこととします。

例えば、
Aさん(特定のユーザー)が、ジャケットを探している状況(特定の利用状況)で、自分の好みに合うアイテムを購入する(指定された目標の達成)ためにECサイトを使うとします。
その際に、不快感なくスムーズに商品購入ができる(有効性・効率性があり、かつ満足できる)かどうか、がユーザビリティの判断基準になるのです。

ユーザビリティを構成する5つの要素

より深くユーザビリティについて知るために、
第一人者であるヤコブ・ニールセン博士による「ユーザビリティの5つの要素」についても見ていきましょう。
UIデザインの原則を定め、WEBにおけるユーザビリティ研究の権威であるニールセン氏は、
著書『ユーザビリティエンジニアリング原論』で以下のようにユーザビリティを定義しています。

  • 学習しやすさ(Learnability)
  • はじめてでも馴染みやすく、ユーザーがすぐ使い始められるものであること

  • 効率性(Efficiency)
  • 一度操作を覚えたら、その後は生産性を上げられるように、素早く効率的に使用できるようなものであること

  • 記憶しやすさ(Memorability)
  • 覚えやすく、しばらく使っていなくても、再び使う際にすぐに使い方を思い出せるものであること

  • エラー(Errors)
  • エラーを起こしにくく、起こっても容易く回復できる。また致命的なエラーが起こらないこと

  • 主観的満足度(Satisfaction)
  • ユーザーが満足し、それを好きになり、楽しく快適に利用できるものであること

少し脱線しますが、「自転車」はこの5つの要素を満たすものといえます。
すぐに乗り方を覚えられて、一度覚えればより高度な操作ができるようになり、久しぶりに乗った際でも、乗り方を忘れてしまっているようなことはないでしょう。
さらに、(ものにもよりますが)ちょっとしたことで故障するようなこともなく、楽しく快適に利用できるものですよね。

これは、自転車が生まれてからの長い歴史の中で、人体の構造にフィットした乗りやすいもの(ユーザビリティの高いもの)へと進化してきたからです。
いわば、「人間中心設計」で磨かれてきたからなのでしょう。

同じように、WEBサイトやアプリも、ユーザー(人間)を中心にユーザビリティを考えることが重要です。
そして、そのユーザビリティを測る「ユーザビリティテスト」をする際にも、この考え方は活きてくるはずです。

ユーザビリティテストの基礎知識

ユーザビリティテストの基礎知識

ここからはいよいよ、ユーザビリティテストについて解説していきます。
まずは基礎知識を押さえておきましょう。

ユーザビリティテストのメリット

ユーザビリティテストを実施した結果、得られることは何でしょうか?
これが理解できないまま、闇雲にテストを行っても意味がないので、まずはじめに確認しましょう。

ユーザビリティテストで得られることは、大きく分けて3つあります。

  • ユーザー視点での行動・心理がわかる
  • サイトやシステムの課題が見つかる
  • 社内(プロジェクト内)で課題感を共有できる

では、上記3点について具体的に見ていきましょう。

【ユーザー視点での行動・心理がわかる】

アクセス解析ツールでは、 離脱率や直帰率などの数値は把握できますが、ユーザーがサイトを使っている時のインサイトまではわからないことが多いです。

ユーザビリティテストを行うことで、ユーザーが「何に関心を持っているのか」「どんな不安や疑問があるのか」など、視点での行動や心理がわかるようになります。

このような「数値からはわからない視点」は、実際にユーザーと対面してはじめて理解できるのです。

【サイトやシステムの課題が見つかる】

アクセス解析データで数値が低く出たとき、ユーザビリティテストを行うことでその課題が見つかることがあります。

実際に目の前でユーザーが操作をしているのを見ることで、
制作者の観点では気づけなかったつまずきポイントや、手が止まってしまう操作が明確になります。

ユーザビリティは、WEBサイトのコンバージョンに大きく影響する要素のひとつです。
だからこそ、テストを行って課題を把握するのが重要です。

【社内(プロジェクト内)で課題感を共有できる】

上に挙げた「ユーザー視点」と「課題」を共有することで、「ユーザーにはこんなニーズがあるから、こんなコンテンツや機能が必要」とスタッフ全員が理解できます。
そして、共通の認識を持ってWEBサイト改善に取り掛かることができるようになります。

つまり、ユーザビリティテストは「最近サイトの数値が悪い。でも、理由がわからないから施策がうてない」
そんな時に行うことで、大きな効果をもたらしてくれるのです。

ユーザビリティテストの種類

各ユーザビリティテストの特徴

ユーザビリティテストにはいくつか種類があります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、目標によって適切なものを選択するようにしましょう。

【対面型】

サイトの大幅リニューアルや、根本的な改善が必要なときに向いている手法です。

被験者へのテストをインタビュールームなどで実施します。
実際にサイトやアプリを操作している様子を3〜5人体制で観察し、テスト中の被験者の発言内容を元に評価するやり方です。

ユーザビリティテストの中では最も多く用いられており、非常にしっかりした結果が得られるメリットがあります。
一方で費用が高く、時間がかかるなどハードルが高いデメリットもあります。

【リモート型】

対面型よりもスピーディに行うことができるので、サイト改善までのリードタイムが少ないときにぴったり。

まず、被験者には自宅でマイクや録画環境などの調査環境を整えて準備してもらいます。
そして、事前に設計したテストメニューに基づいて、被験者一人で調査を実施し、その動画を送ってもらう方法です。
オンラインツールを利用して実施するケースが多いです。

低コストで実施でき、日程の融通がききやすいのがメリットです。
さらに、被験者が自宅でテストを受けるため、実際の利用シーンに近いリラックスした心理状態でサイトを閲覧できるのも良い点です。
思ったままの感想を言ってもらうことが可能なので、よりリアルな意見を回収できます。

ただ、オンラインツールなどを利用するので、リテラシーの有無で被験者の数が限られてしまうのがデメリットとなります。
また、事前に用意したメニュー通りに実施してもらうだけなので、その場で思いついた追加質問などの深堀りがしにくいという点もあります。

【簡易型】

とにかくローコストで、試験的にサッとユーザビリティテストを行いたいときにおすすめです。

同僚や友人・家族など、事前準備をあまり行わず、気軽に利用してもらう手法です。
第三者でもある知人や同僚に対して行なうだけで驚くほど多くの発見が得られるので、最初の一歩や最低限のテストとしては非常に効果的です。

協力してもらう人がぴったりのターゲット層である場合は良いですが、
そうでない場合は結果として得られるデータ精度が少し荒くなりがちなのがデメリットです。

ユーザビリティテストの準備

ユーザビリティテストをやってみよう

ここからは、ユーザビリティテストの「準備」について時系列に沿って解説します。
しっかりと準備をすることが有効な結果につながるので、以降のステップをひとつひとつ確認しながら進めてみてください。

STEP1/目標を設定

まずは、「ユーザビリティテストを通じて何を明らかにしなければいけないのか」を明確にしなければいけません。

「サイトの使い勝手が良いかどうか」といったふんわりしたものではなく、
先に紹介した「ユーザビリティの5つの要素」と照らし合わせて具体的に設定するのが重要になります。

例えば、テストの目標を以下のように設定してみましょう。

  • ECサイトにおいて、ユーザーが目当ての商品を探し出して、スムーズに購入できるかどうかをテストする。
  • 実際に購入してもらうまでのフローが「分かりやすく」できているか、問題なく簡単に「できるか」を検証する。

この「目標」が定まっているか否かで、その後のタスクの検討や実施、分析作業の効率が大きく変わるので、じっくりと検討し、かつ社内(プロジェクト内)メンバー全員で共通認識を持つことが重要です。

STEP2/仮説の設定

STEP1で設定した目標を元に、ユーザーがサイトに対してどんな操作を行うか、どう感じるかを仮説立てます。

仮説を設定することで、自社・自身の製品に対するバイアス(思い込み)を理解することにも繋がります。
制作者が良いと思っているものでも、ユーザーが欲しているものとは異なる場合があるので注意しましょう。
例えば、目当ての商品を探すときの操作でつまずくかもしれない、購入画面の入力方法に戸惑って手が止まるかもしれない、などです。

STEP3/タスクの検討

実際に被験者に実行してもらうタスクを検討します。
最も多くのユーザーが見、行いそうな場面を思い浮かべ、実際に自分で操作をしながら、箇条書きで書き出します。

記事冒頭で、「ユーザビリティとは、特定のユーザーが特定の利用状況で指定された目標を達成する際の、有効さ、効率、満足度の度合いである。」と説明しました。
これをテストするのですから、タスクは具体的なシーンを想定しなければなりません

例えば、友人に誕生日プレゼントとして贈る商品を探し、実際に購入するまでのシーンを細かく思い浮かべてみる、などです。

STEP4/質問事項の作成

実行してもらいたいタスクから、質問項目を洗い出します。
タスクに対してあまり多く質問をしても十分な深掘りができないため、質問数は1タスクあたり最大3問程度にするのがポイントです。

また、質問を作成する際には「はい/いいえ」で答えられる質問(クローズド・クエスチョン)ではなく、被験者が自由に回答できる質問(オープン・クエスチョン)にする方が、より多くの情報を引き出すことができます

例えば、このような質問を作成するといいでしょう。

  • プレゼントを探す際に操作が難しいと感じた点はどこですか?
  • 今操作が止まったのはなぜですか?
  • サイト使用時に最もストレスを感じたステップはどこですか? また、その理由は?

STEP5/被験者のリクルーティング

実際に対象となるサイトを利用する想定ユーザーの傾向を踏まえてターゲット設定し、被験者を募集します。
STEP1で設定した目標を達成するのに「ずれ」が無いよう、ターゲット設定は慎重にしましょう。
※このSTEPは、2~4と同時進行でも構いません

STEP6/当日必要なものの準備

最後に、テスト当日までに必要なものを準備しておきましょう。
以下にリストアップしましたので、抜けや漏れがないようにチェックしながら準備してください。

テスト機材

ユーザーがサービスをどのように利用していたか、録画機器を用いてその一部始終を記録します。
※利用者に撮影の了承を得るようにしてください

インタビュアー

ユーザーに直接質問をする役割です。
対象に精神的なプレッシャーをかけることや、テストしたいWEBサイトやアプリの操作を教えてしまうような行為は控えるべきです。

オブザーバー

第三者としてテストを観察し、被験者の発言以外の行動を記録する役割です。
対象がふとした時にとった気になる行動や、「こんな欲求があるのかな?」と感じた内容をメモしておき、インタビューの終わりに、補足としてインタビュアーに伝えたり、追加質問を行ったりします。

ちなみに、ニジボックスで行うユーザビリティテストでは、オブザーバーとして同席する人たちは手元を写した映像をモニターでテストを見ることができます。

テストガイド

当日の流れやタスクを記載したガイドブックをインタビュアー用と被験者用にそれぞれに作成し、それに沿ってテストを実施します。

インタビュアー用のガイドブックは当日の全体の進行や時間配分などを細かく記載したものを用意し、被験者用には注意事項やタスクを記載したものを作成すれば、テストをスムーズに進行することができます。

ストップウォッチ

テスト中に時間配分を確認するのに使います。

ICレコーダー

録画にも音声が入っていますが、不鮮明な場合も考慮し、念のため録音もしておくと安心です。

STEP7/パイロットテスト(リハーサル)

当日のテストをスムーズに進行できるように、パイロットテストを行います。

検討した質問事項、用意した機材を使って社内メンバー(プロジェクト内)に協力してもらい、実際の流れ通りにやってみましょう。

パイロットテストを行うと、時間配分や質問事項の内容など、
本番までにブラッシュアップしておくべき課題が明らかになるため、2〜3名に行えるとベストです。

それでは、今回はここまでにしましょう。

人の気持ち(表層的なものではなく、当人自身も気づいていない深層にあるものも含む)を理解し、
サービスに活かすために行う「ユーザーインタビューとその分析手法」については、
下記の参考記事をご覧ください!

■参考記事:
【事例で分かる!】より良いユーザーインタビュー分析の3つの条件とは?

ニジボックスのサービスについて詳しく知りたい方はこちら!

UXデザインコンサルティングについて 外部リンク