【デザイン思考とは?】身近な事例で分かる重要性と実践方法

【デザイン思考とは?】身近な事例で分かる重要性と実践方法

2019.11.15
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世界的な企業が取り入れたことで大きな成果をあげ、
日本でも多数の書籍が出版されるなど浸透が進んでいる「デザイン思考」

身の回りでこの言葉を耳にする機会も多くなったのではないでしょうか。
皆さんはきちんとその意味と重要性を理解できていますか?

具体的なイメージが湧きづらく、取り入れるまでのハードルも高い概念のように思われがちですが、
この記事ではデザイン思考について、身近な日本の具体例や図等を用いながら、分かりやすく解説します。

今、デザイン思考が「ビジネスの上で欠かせない」理由

例えば、あなたが新規事業開発の責任者になったとします。
事業をどのように起こしていくか、どんなプロダクトを生み出すか……。
そのプロセスにおいて有用な手法に「デザイン思考」があります

早速、デザイン思考の重要性を解説したいところですが、
それを知るにはこの言葉自体を理解しなければならないので、
まずは「デザイン思考とは?」について、簡単に紹介していきましょう。

美術ではなく、「設計」としてのデザイン

デザイン思考とは、簡単に説明すると、
「仮説を立て、プロトタイプを作成し、ユーザーテストするサイクルを“高速で”まわしてブラッシュアップしながら新たな商品やサービスを作り出す考え方」のことです。

デザイン思考

デザイン思考をマーケットインの観点から、
ビジネスに活かす方法については、詳しくは下記記事をご参照ください。

■関連記事
新規事業や事業改善で必須のプロセス「デザイン思考」でイノベーションを!

デザインと聞くと、ピカソの絵のように、
「天才がその審美眼をもって創作するもの」とイメージされる方も多いと思います。

しかし、デザイン思考における「デザイン」は、“設計”という意味
美術における直感的なものではなく、ロジカルに積み上げていくものです。

例えば、クライアントに「イケてるサイトを作ってよ」と依頼されたとします。
ここでデザイン思考的には、「イケてるとは何か?」を設計する必要があるのです。

それは、「斬新でイケてる」と「トレンド最先端でイケてる」、
あるいは「面白くてイケてる」では同じイケてるでも全く違うものになるから
です。

なぜ「イケてる」サイトを作りたいのか、その目的や背景は?
そのためにどんな「イケてる」要素が必要?
その要素をサイトデザインにどのように反映させる?
このようにクライアントの要望に合ったデザインを設計するのです。

ニジボックスのデザイナーも、この“設計”という意味でのデザイン思考を元に考えています。

デザイン思考が求められる理由は「ビジネスが変わったから」

さて、ここからいよいよデザイン思考が重要といわれている理由です。
それは一言でいうと、「昔と今でビジネスにおけるニーズが変わったから」です。

ビジネスの変化

20年ほど前、バブル期までは、
ほとんどの人は
とにかくたくさんの「モノ・カネ」を得て暮らしを豊かにすることを目的としていました。
人々のニーズはほとんど同じで、いい家、いい車、美味しい食事……
など、シンプルなものでした。
新しさのある商品や高性能な商品を出せば多くの人が価値を感じて購入してくれていたのです。

しかし、
経済成長に伴って生理的・物理的な欲求が満たされてくると、
ニーズは「多様化」
します。

「美味しいご飯を食べたい」ニーズよりも、
「他人から承認されたい」「自己実現をしたい」という、
人によって“方向性がさまざま”なニーズが増えてきました。

ご飯を食べたいニーズはご飯を食べれば満たされますが、

現代のニーズは、

「キレイな写真をたくさんアップしていいねをもらいたい」
「ていねいな暮らしをしたい」
YouTuberになって有名になりたい」など、

満たすための方法が非常に複雑化されたものなのです。

さらに、私たちのほとんどがスマートフォンを手にする時代、
SNSやアプリによって個人のニーズはより狭く、深くカスタマイズされるようになりました。

結果、「広く浅く、より多くの人に受ける商品・サービスを作る」ためのアプローチでは、
人々のニーズを満たすためのプロダクトを提供できなくなります。

このような時代の急激な変化についていくために、
多様化したユーザーニーズに対する解決策を導き出す手法が必要に迫られることとなります。

その手法としての条件は、スピード感と量を両立させて、解決策を考案できること。
この条件を満たした手法こそが、“走りながら考えられる”「デザイン思考」なのです。

デザイン思考を実践するための手順

突然ですが、ダーツをやったことはありますか?

ダーツ

どんな風に遊んでいたかを思い出してみてください。
おそらく、ほとんどの人が以下2つのステップで投げていることと思います。

  1. 的を見ながら狙いを定めて
  2. 投げる

当たり前ですが、的も見ずにいきなりダーツを投げても、ほとんど刺さりませんよね。
デザイン思考も、同じです。

  1. 課題を設定して(的を見ながら狙いを定めて)
  2. 解決策を検討する(投げる)

の二段階で進めていきます。

いきなりアイデアを考えるのは、的を見ずにダーツを投げているのと同じ。
①→②の手順を踏むことが、いいアイデアを創出するために必要なのです。

デザイン思考を具体的に実践する場合、課題設定と解決策検討をさらに細分化していきます。

デザイン思考のサイクル

課題設定の3ステップ

  1. 共感
  2. 共感とは、ターゲットとするユーザーに対してインタビュー等で彼らのニーズを深く理解すること
    相手になりきるくらい、その人の普段の思考・行動を知ることが重要です。

  3. 情報分析
  4. 「共感」によって発見したニーズと、ターゲットを取り巻く環境を整理・分析します。
    「どんな人生を送ってきたのか」といった背景や、人間関係、生活環境なども鑑みて、彼らが「本当に求めている」潜在的ニーズまで深堀りしていきます。

  5. 課題定義
  6. 情報分析で見えてきたニーズから、解決するべき課題を確立させます。
    ユーザーが何に不満なのか、サービスのどこがニーズとアンマッチなのかを明確に定義しましょう。

解決策検討の3ステップ

  1. アイデア
  2. 課題設定の1~3を進めてはじめて着手するのが「アイデア出し」。
    アイデアが現実的かどうか、斬新かどうかなどあまり気にせず、
    まずは思いつくままにどんどん出して、使えそうなアイデアを絞り込むのが効率的です。

  3. プロトタイピング
  4. 1で選抜したアイデア(ソリューション)の試作をします。
    プロトタイプ(試作)のいいところは、低予算・高スピードで作成し、様々な可能性を試すことができる点です。

  5. テスト
  6. プロトタイプでユーザーテストを行い、実際に課題が解決できるのかを見定めます。

デザイン思考の手順は「サイクル型」でなければならない

課題設定から解決策検討まで一通り進めたら「これで終わり」ではありません。

プロトタイプをテストした段階で「完璧にユーザーのニーズを満たした」なんてことはほとんどないからです。
必ず、テストの結果には何かしらの問題が出てくるはずです。

そこで必要なのが、デザイン思考の手順を「戻って、繰り返す」こと。

デザイン思考

「アイデア」の段階で採用したソリューションが微妙だったら、戻って再度アイデアを練ろう。
「課題定義」の段階で定めたものが本当のニーズとずれていたから、改めて情報分析をし直そう。

このように、6つの手順を何度も、かつ素早く繰り返すことで徐々に精度を高めていくのが、
デザイン思考のキモ
といえます。

一度やったら終わりではなく、一度やってからがスタート、と考えてください。
そのため、デザイン思考を用いる際は以下のマインドを持って臨むことが重要、というのも覚えておきましょう。

  • まずはやってみる
  • 「やり直し」が当たり前と考える
  • ユーザー視点を忘れない

デザイン思考の事例

ここまで読まれた方は「なんとなく意味はわかったけど、実感としてイメージが湧かない」と思っていることでしょう。
そこで、ここからは具体的に「デザイン思考」を捉えるための事例を紹介します。

ネットを見れば海外の事例はすぐ見つかるのですが、案外日本の事例はあまり公開されていません。
今回は、より身近な例として、ニジボックスの「イベント出展時のチラシ制作」の際に使われたデザイン思考を紹介します。

ニジボックスはこれまで様々な展示会に出展してきました。
その展示会で、来場者がブースに足を止めて商談できるよう、サービス紹介のチラシを配っていました。
しかし、これがなかなか足を止めることができず、「もっと魅力的なチラシにできないか…?」と考えました。

そこで、まずは「足を止めてくれない来場者」をターゲットとし、デザイン思考でソリューションを考えることにしました。

【共感】手荷物を増やしたくないからチラシを受け取らない?

ターゲットを理解するために、実際に展示会に出かけて、来場者をじっくり観察してみました。
すると、同じ来場者でもチラシを受け取る場合と受け取らない場合があることに気づきました!

その差異は何だったのでしょう?

結論は、事前に目星をつけた会社のチラシだけを受け取っている、ということ。

来場者は限られた時間で情報収集しようとしているので、
事前に目星をつけた会社のブースにしか興味がないのです。
他の企業のチラシは、受け取ってもただの荷物になるだけ、と考えているようです。

【情報分析】効率的に情報収集したいと考えている?

ターゲットのニーズは、「情報収集はしたいが、手荷物を増やしたくない」こと。

そのニーズの背景にある状況は、

  • IT担当者は普段、紙媒体を持たない
  • 忙しい業務の合間を縫って来場したので、余計な時間や手間はかけたくない
  • 来場後は情報収集し、整理した内容を上長に報告する予定

…といったもの。

このように付帯状況を整理・分析しました。
とにかく、彼らは「効率的に」情報収集・情報整理したいニーズがあることがわかりました。

【課題定義】そもそも、チラシにこだわる必要ってあるんだっけ?

最初の段階では「もっと魅力的なチラシがいいのでは…?」と考えていましたが、
共感・情報分析のプロセスを経て
「展示会の来場者が受け取りやすい販促物はチラシである必要はないのではないか?」
という視点に変わりました。

チラシにとらわれず、「受け取りやすい販促物」の形を考えることが、真の課題という仮説を立てたのです。

【アイデア】受け取りやすい販促物ってなんだろう?

荷物にならず、慌ただしく展示会を周っている人でも気軽に受け取りやすいものとは?
と考えた結果、「ポケットにしまえるような、もっと小さな販促物」はどうだろう?
というアイデアを思いつきました。

そこで、チケット型のチラシを作ってみることにしました。
スペースに限りはありますが、載せきれなかった情報はQRコードでWEBに誘導することに。

【プロトタイプ】細かいデザインは置いといて、とりあえず作ってみた

試作段階なので、チケットチラシのデザインなどにはこだわらず、まずは紙とペン、ハサミを用意して作ってみました。
ticket

【テスト】まずは200部印刷して配ってみた

いつもはチラシを1000部刷りますが、今回はあくまで「テスト」なので、プロトタイプを200部印刷。
展示会で実際に配ってみたところ、200部全て配り切り、半数ほどはブースに足を止めてくれました。

一定の効果は実感できたものの、
チケットを渡そうとした全ての人が受け取ってくれたわけではないし、受け取っても足を止めない人も当然いました。

今後は、サービスのキャッチフレーズを2パターン用意してA/Bテストするなど、
来場者が足を止めてくれるデザインに改良することで、再度<共感>に戻ってソリューションの精度を高めていく予定です。

まとめ:デザイン思考はイノベーションを起こす近道

「デザイン思考」という言葉を聞くと、
人によっては馴染みのない難しい概念のように感じられるかもしれません。

でも、今回のチラシの事例のように、実はすぐに実践できる、どんな小さな業務でも活用できる考え方なのです。

現代のビジネスでは、とにかく「アクションする」ことが重要だと言われています。
机の上であれこれ考えていいアイデアが出たところで、それを行動に移さなければ何の結果にもつながりません。

デザイン思考は「すぐにアクションできる」フローになっているという意味で、現代ビジネスと相性の良い手法であるともいえます。

普段の業務はもちろん、社内の掃除当番の運用、チームMTGのやり方など、まずはあなたの会社の身近なところからはじめてみましょう!
このデザイン思考を日々使うことが、イノベーティブな新しいプロダクトを生み出すことにつながるのです!

ニジボックスのサービスについて詳しく知りたい方はこちら!

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